1. 妊娠期
猫の妊娠期間は平均63~66日で、妊娠期間を通じて一定して体重が増加する。およそ妊娠40日目までに妊娠後期と授乳期に必要なエネルギーを蓄える。その後の期間の体重増加は胎児の成長によるものである。
2. 授乳期
授乳期の母猫はタンパク質と脂肪を特に多く含む母乳を体重の1.5~2倍産生する。そのため通常の2~3倍のエネルギーを必要とする。
授乳期にはエネルギー密度の高い食事を母猫がいつでも食べられるよう、常に用意しておかなければならない。これを子猫が離乳するまで続け、子猫が離乳するころには成猫の健康維持のための食事に徐々にもどしていく。
3. 妊娠期・授乳期の食事
【妊娠期】
十分なエネルギーを摂取するためにタンパク質、脂肪を多く含む食事が必要である。さらに、性ホルモンの合成に関係するβ-カロテン、DNAの合成に不可欠なビタミンB9(葉酸)、脳の神経細胞の合成に必要なEPA/DHAなども十分に摂取することが重要である。
また、タウリンが不足すると早期吸収(胚の発生が止まり吸収される繁殖障害)が起こるおそれがある。
【授乳期】
妊娠期に引き続き、十分なエネルギーを摂取するためにタンパク質、脂肪を多く含む食事が必要である。
ほかにも、脂肪をエネルギーとして利用するために必要なL-カルニチン、子猫の免疫力を高めるビタミンC・ビタミンE・ルテイン・タウリンなどの抗酸化成分、子猫の脳の発達に必要なEPA/DHA、子猫の網膜・心臓・生殖器の健康な発育に必要なタウリンなども十分に摂取することが重要である。

