脂肪(脂肪酸)

脂肪はエネルギー源としての役割の他にもホルモンとして体の調子を整えるなど体内で様々な働きをもつ。

脂肪とは

脂肪は1個の「グリセリン」に3個の「脂肪酸」から成る。脂肪には様々な種類があるが、違いは脂肪酸の種類に由来する。脂肪はエネルギー源として重要で、タンパク質炭水化物よりも多くのエネルギーを含むため、過剰な脂肪の摂取は肥満の原因となる。

脂肪の供給源

ペットフードに使われる脂肪の原材料は大きく二つに分けられる。

脂肪の消化と吸収

食べ物から摂取した脂肪は、小腸で消化酵素や胆汁酸の働きで、グリセリンと脂肪酸に分解され体内に吸収される。吸収されたグリセリンと脂肪酸は、エネルギー源として利用されたり、体内で再び脂肪に合成される。

脂肪酸とは?

脂肪酸は脂肪を構成する成分の一つで色々な種類があるが、大きく次のように分類される。

「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」

さらに不飽和脂肪酸は構造上の特徴から、オメガ3系脂肪酸オメガ6系脂肪酸、オメガ9系脂肪酸などに分けられる。犬と猫はオメガ3系とオメガ6系の脂肪酸は体内で合成できないため、必ず食事から摂取する必要があり必須脂肪酸とよばれる。

➡ 関連:脂肪と脂肪酸

脂肪の栄養素としての役割

炭水化物やタンパク質より、約2.5倍も高いエネルギーを含み、効率的にエネルギーを供給する。その他にも細胞膜を構成する成分となる他、性ホルモンや胆汁酸の原料となる。また、脂肪は一部のビタミン(脂溶性ビタミン)を吸収するためにも重要である。

脂肪(あるいは脂肪酸)の積極的な摂取が推奨される場合

【皮膚や被毛の健康維持】

  • ●皮膚や被毛を健康に保つオメガ6系脂肪酸の補給のため。

【筋肉の消耗時】

  • EPA/DHAの補給による悪液質の予防と改善のため。

【慢性腎臓病】

  • ●EPA/DHAの腎臓保護作用を期待して。

【炎症性疾患(皮膚炎、関節炎など)】

【成長期の特に前半】

  • ●成長のためにエネルギーをたくさん必要とするが、デンプンの消化能力が未熟なため、エネルギー源として脂肪を多く含む食事が適している。特に肉食動物であるネコでこの傾向が強い。

➡ 関連:犬の成長期猫の成長期

脂肪の積極的な制限が推奨される場合

【減量時および適正体重の維持】

  • ●カロリーの希釈を目的として。

【犬の膵炎】

【脂肪肝】

【高脂血症】

※ただしEPA/DHAには血中の脂肪を低下させる作用があるとの報告がある。

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