ネコちゃんの高齢化
日本では「高齢化社会」という言葉がすっかり浸透し、総務省の発表では2022年9月時点で65歳以上の人は全人口の29.1%を占めています。1)
全人口に対する高齢者割合でみると、日本は世界で1位となっています。
ところが近年では人間だけでなく、ネコちゃんも高齢化が進んでいるといわれています。

一般社団法人ペットフード協会の令和3年の調査によると、ネコちゃんの平均寿命は約15歳で、ここ約10年間で1歳以上も伸びています。
ネコちゃんの歳をとるスピードは人間の4倍早いといわれているので、人間でいうと平均寿命が5歳ほど伸びたということになります。
人間はこの10年間で3歳の寿命延長なので、それを上回る計算です。
ネコちゃんはいつからが高齢?
ネコちゃんの目安としては7歳以上が中高齢期、12歳以上が高齢期と考えられています。
2021年の調査結果では7歳以上のネコちゃんは45.9%で、半数近くを占めています。

ネコちゃんは見た目でわかるほど急速に歳をとっていくわけではありません。
そのため、ふと気がついたときには愛猫も高齢用のケアが必要になっている段階にいた、という人もいるかもしれません。
ネコちゃんの「健康寿命」をのばすために
人間では「健康寿命」という言葉があり、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指します。
超高齢化社会になりつつある日本では、単に平均寿命だけではなく、いかに健康寿命を伸ばすかということにも焦点が当てられています。
国立高度専門医療研究センターの6機関では、喫煙・飲酒・食事・運動・健診などの各項目で必要なアクションについて提言を発表しています。
そして、ペットの世界でも健康寿命という概念が提唱され始めてきています。
ネコちゃんが高齢になってもできるだけ元気で快適に生活できるように、若いころからの運動習慣、ネコちゃんの年齢や品種などに適した質の良い食事、年に1~2回の定期健診など、飼い主さんが気をつけてあげられることはたくさんあります。
またネコちゃんも歳をとるにつれて、目には見えないところで身体に加齢性の変化が起こり始めます。
こういったネコちゃんの変化に合わせた生活環境を整備しつつ、年齢に合わせた最適なフードの選択をしてあげるとよいでしょう。
次の記事では、高齢のネコちゃんとの生活で気をつけたいポイントを具体的に説明していきます。
参考文献
- 1) 総務省統計局 高齢者人口の割合(2022年)
- 2) 一般社団法人ペットフード協会 令和3年全国犬猫飼育実態調査