犬アトピー性皮膚炎と食事

  • 皮膚と被毛
2017/03/08

以前のコラム『スキンケア①痒がる原因はアレルギー?』で、ワンちゃんネコちゃんの痒みの原因は、食物アレルギー以外にもたくさんあることをお話しました。

実際に、第103回日本皮膚科学会では、ワンちゃんのアレルギーの59%は「犬アトピー性皮膚炎」によるものだというデータも発表されています。(図1)

今回のコラムでは、この「犬アトピー性皮膚炎」と、食事の関係についてお話ししていきます。

【犬アトピー性皮膚炎には、皮膚のバリア機能が関係している?】

犬アトピー性皮膚炎は、痒みや炎症をともなうアレルギー性の皮膚病で、遺伝的な素因があり、柴犬、シーズー、フレンチ・ブルドッグなどの犬種で発生が多いといわれています。
その症状は指の間や腹部、わきの下や内股の付け根など、皮膚の薄い部位でよく見られます。

これは犬アトピー性皮膚炎の原因のひとつに、皮膚のバリア機能の低下が関わっているためだと考えられています。

皮膚のバリア機能とは、皮膚の表面の角質層が、乾燥や外部刺激から身体を守る機能のことです。
この機能が低下すると、皮膚が乾燥するだけでなく、ホコリやカビ、花粉などが皮膚から体内に入りやすくなり、かゆみや炎症を引き起こします。
ですから、皮膚のバリア機能をいつも高く維持しておくことは、犬アトピー性皮膚炎の予防策のひとつとして、とても大切なことなのです。

近年ヒトでも、予防的なスキンケアがアトピー性皮膚炎の予防方法として有効である(発症が3割少なかった)という報告がなされました。( Horimukai 2014 ) (図2)

【毎日の食事で、皮膚のバリア機能をサポートする方法があります】

バリア機能を維持する、と聞くと、塗り薬や飲み薬を使うイメージをもつ方もいるのではないでしょうか?
実は、毎日の食事からしっかりと栄養を取り入れることでも、皮膚のバリア機能の維持が期待できるのです。

皮膚表面の角質層のすきまは『セラミド』という成分で満たされており、これが皮膚のバリア機能を担っています。
そのセラミドの合成を助けるといわれているのが、4つの栄養成分(ビタミンB群:パントテン酸コリンナイアシン / アミノ酸:ヒスチジン)の組み合わせです。

これらの栄養成分を食事に取り入れることで皮膚のバリア機能が維持されることが証明されており、また、パントテン酸コリンナイアシンヒスチジンイノシトールの組み合わせにより、

  • ●セラミドの合成を促進し、皮膚を乾燥から保護する働きがあった ( Watson 2006 )
  • ●犬アトピー性皮膚炎の発症のリスクが低下した ( Frank Looringh van Beeck 2015 )

といった効果も報告されています。

いつもの食事を切り替えるという方法なら、気軽に取り入れることができそうですね。
犬アトピー性皮膚炎について心配な場合は、動物病院で食事についても相談してみるとよいでしょう。

具体的な栄養成分については、『スキンケア③皮膚の健康のために摂りたい栄養成分は?』で紹介しているので、ぜひのぞいてみてください。

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