肉食動物の食事を知ろう!

  • 食事
2017/01/05

前回のコラム「食における、人・犬・猫のちがい」で、犬は肉食に近い雑食動物、猫は完全な肉食動物に分類されるというお話をしました。

犬と猫、それぞれの食性がちがうということは、ドッグフードとキャットフードに入っている栄養素の量やバランスもちがう、ということになります。
特に猫には肉食動物ならではの食事が求められます。
それでは、猫の食事について詳しく見ていきましょう。

まず猫のような肉食動物は、食事に、より多くのタンパク質を必要とします。
そして「植物性の食品だけでは、いくつかの必要な栄養素を十分に摂取することができないため、動物性の食品を摂取する必要がある」動物です。

この「いくつかの必要な栄養素」というのは、たとえばビタミンA。
レバーや乳製品、卵といった動物性の食品に含まれている栄養素です。

ビタミンAについて、人や犬は上記のような食品を食べなくても、ニンジンなどの植物性食品に含まれる「β-カロテン」という栄養素を、体内でビタミンA に換えることができます。
しかし猫はこのような体内合成ができないので、必ず食品からビタミンAそのものを摂る必要があります。

そのほか、アミノ酸の一種のタウリンや、脂肪の一種のアラキドン酸についても、これらが含まれている食品を必ず食べなければいけないのです。

ここに挙げたような栄養素は、自然の状態では、肉などの動物性食品を食べないと十分に摂取することができません。
このことから、猫は「肉を食べるから肉食動物である」のではなくて、「必要とする栄養素を摂取するために肉食でなければならなかった」といえます。

つまり、肉食動物にとって肉を食べることは、あくまでも肉に含まれる栄養素を摂取するための手段なのです。
また逆に言えば、必要な栄養素を摂取することが出来るのであれば、必ずしも肉そのものを食べる必要はない、ということになります。

ペットフードも同じく、含まれている原材料は「必要な栄養素を犬・猫の体の中に届けるための手段」です。
ですからペットフードは、例えば「原材料に肉が使われているかどうか」ということよりも、「犬・猫に必要な栄養素が含まれているかどうか」ということのほうが重要なのです。

猫の食事、そして「肉食」という食性についてお話ししましたが、みなさんがイメージしている肉食と、多少異なる点があったのではないでしょうか?

食性は、その動物の身体の構造にあわせてかたちづくられた、大切な習性です。

猫がわたしたちと一緒によりよい食生活を送れるように、食性や栄養についての知識を深め、適切な食事を与えることを心がけたいですね。

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