ペットとの平和で楽しい暮らし。そんな何気ない日々の中でも、地震などの自然災害はいつ起こるかわかりません。平時から備えておくことで、いざというときのペットと飼い主さんの安全が保たれ、安心感も得られます。
前回のコラムでは、自宅の防災対策・しつけと健康管理・行方不明にならないための対策についてお伝えしました。
今回は、環境省のガイドライン1)に沿って、いざというときのために備えておきたいアイテムをご紹介します。
ペット用の避難用品や備蓄品の確保
ペットを避難させるために、必要な避難用品と備蓄品を備えておきましょう。
【避難用品】
ワンちゃんの場合、首輪とリード、クレートや扉のついたケージ、犬用靴下やバンテージを用意しておきます。
バンテージとは、ワンちゃんを徒歩で避難させる場合、瓦礫などによる手足の怪我を防止するものです。小型犬はキャリーでの同行避難も可能ですが、大型犬のワンちゃんは徒歩での避難になることも考えられます。道路に様々な瓦礫などが飛散して思わぬ怪我をすることが考えられるので、あらかじめ備えておくとよいでしょう。
ネコちゃんの場合、頭が小さく首輪だと外れやすいため、ハーネスタイプがよいでしょう。室内飼育で外に連れていく予定がない家庭でも、キャリーバッグに日頃から慣らしておくことで避難がスムーズになります。
【備蓄品】
用意しておくべき備蓄品と、持ち出す際の優先順位の例をご紹介します。
■優先順位①:ペットの健康や命にかかわるもの
- ・ 療法食、薬
- ・ ペットフード、水(少なくとも5日分、できれば7日分以上)
- ・ キャリーバッグやケージ
- ・ 予備の首輪、リード(伸びないもの)
- ・ ペットシーツ
- ・ 排泄物の処理用具
- ・ トイレ用品
- ・ 食器
■優先順位②:情報
- ・ 飼い主さんの連絡先と、ペットに関する飼い主さん以外の緊急連絡先・預け先などの情報
- ・ ペットの写真(印刷しておくとともに、携帯電話などに画像を保存しておきましょう。万が一逸走してしまった際や、避難先ではぐれてしまった際に役立ちます)
- ・ ワクチン接種状況、既往症、投薬中の薬情報、検査結果、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報
■優先順位③:ペット用品
- ・ タオル、ブラシ
- ・ ウェットタオルや清浄綿(目や耳の掃除など多用途に利用可能)
- ・ ビニール袋(排泄物の処理など多用途に利用可能)
- ・ お気に入りのおもちゃなど匂いがついた用品
- ・ 洗濯ネット(ネコちゃんの場合は保護や診療に有用)
- ・ ガムテープやマジック
【災害発生時にやるべきこと】
災害が実際に発生したら、次の3つのことを行うことを前提に準備しておきましょう。
- (1)飼い主さんご自身の安全確保・状況確認
- (2)避難の必要性の判断
- (3)ペットとの同行避難
まずは飼い主さんご自身の安全確保が最優先です。
そして現在の状況をニュースなどで正しく把握し、避難が必要かどうかを判断してください。場合によってはペットと同行避難になることもあります。
まとめ
ペットの防災対策についての概要をご紹介してきました。災害時にあわてないように、平時からしっかり備えておくことが重要です。人の防災対策とはきっちり分けて、ペットはペットの防災対策を行っておくことが重要です。詳細は、ぜひ環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」をお読みいただき、しっかりと対策しておきましょう。
1)環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002/0-full.pdf