うちの子がフードを食べないのはどうして?②

  • 食事
2017/02/23

前回のコラム『うちの子がフードを食べないのはどうして?①』では、犬と猫が食事を食べなくなった場合に、嗅覚や味覚の低下が原因のひとつであることをお話ししました。

今回のコラムでは、もともと食の細い犬と猫それぞれの特性に焦点をあてて、その原因をみてみましょう。

【もともと食べムラ、食べ飽きが多い場合】

犬種によって異なる嗅覚の鋭さ

犬には多くの犬種があり、それぞれ鼻の形も異なります。
犬の嗅覚は、鼻の中にある嗅細胞の数で決まるため、より大型で鼻づら(マズル)の長い犬種ほど嗅覚が鋭いといえます。

たとえば、ブルドッグの嗅細胞は約1億個ですが、ジャーマンシェパードはその2倍、約2億個の細胞を持っているため、ジャーマンシェパードの方が鋭い嗅覚をもっていると言われます。

チワワやポメラニアン、パピヨンなどの超小型犬は、よりにおいを感じにくいため、食べムラがある場合はにおいなどを工夫し嗜好性を高めたフードがおすすめです。

飼主さんとの関わり方が原因?(特に犬)

実はペットと飼主さんとの関係性も、食事の食いつきに影響することがあります。

チワワがその分かりやすい例です。
チワワは、一説にはアステカ文明の時代から、飼主と密接なライフスタイルを送ってきたといわれています。
そのため現代のチワワにも、おやつを与えられる機会が多い、飼主の食べものに関心が向きやすい、といった傾向があり、自分の食事への関心が薄れてしまうのです。おやつをもらうと更にフードへの関心は薄れ、おやつばかりをほしがるようになることもあるのでなるべく控えた方がよいでしょう。もしどうしてもあげたい場合は、一日のカロリーの10%以内に抑えましょう。

また犬は、仕事の報酬として与えられる食事を好むことがわかっています。
つまり、何もせずにいつでも食事が与えられる環境では、食事の価値を感じないため、食べないことがあるのです。
こんなときは、トレーニングやお散歩、何かほめられるような行動のあとに、ご褒美として食事を与える習慣づけをしていくとよいでしょう。

猫の好みは日によって変わる?

続いては猫がフードを食べない原因についてみていきます。

猫の食事の好みには、環境や体調の変化、さらには本能的要素、母猫の影響など、さまざまな要素が影響しています。
しかもこれらの要素は、影響を与える割合が一定でなく、日によって変化します。
猫が食事の好き嫌いが激しいといわれるのはこのためです。

上のイラストのように、日によってそれぞれの影響の強さがちがうため、昨日まで食べていたフードを今日は食べない、といったような食べ飽きがおこるのです。

またイラスト中の「本能的な要素」というのは、猫は、たとえ匂いや味が好みの食事があっても、タンパク質の含有量が少ないと、やがて本能的に避けるようになる傾向がある、ということです。 ですから猫の食べ飽きをふせぐためにも、においや味のほか、猫に必要な栄養がバランスよく含まれた食事を与えることが大切です。

食事にこだわりのある猫のために特別に作られたフードもあるので、試してみてもよいでしょう。

2回のコラムにわたって、犬猫がフードを食べない理由についてお話ししました。

年齢や品種によるものや飼主さんとの関わり方、体調や環境の変化など、「フードを食べない」というのにもたくさんの要因があることが分かりましたね。

うちの子にも思い当たる節がある、と感じた飼主さんは、嗜好性の高い食事に変えてみたり、もしくは『嗜好性とは③ ごはんを食べないときは、どうしたら良い?』で紹介した方法を試してみたりと、工夫をしてみるとよいでしょう。

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