ワンちゃん・ネコちゃんといつも一緒に生活していると、ちょっとした変化にはなかなか気が付かないものです。でも、見逃してしまいがちな些細な行動や様子の変化が、もしかしたら病気のサインかもしれません。そこで今回は、「糖尿病」のサインについてお話ししたいと思います。
こんな症状があったら、糖尿病のサイン!?
動物にとって重要なエネルギー源であるブドウ糖(血糖)は、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きにより細胞に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。糖尿病ではインスリンの不足や、インスリンが上手く作用しなくなることで、血糖がエネルギーとして利用されず、さまざまな身体の不調を引き起こします。この病気では、尿から糖が検出されるため、糖尿病と呼ばれています。
【糖尿病が疑われるサイン】
- ・たくさんのおしっこをし、水をたくさん飲むようになった
- ・たくさん食べているのにやせてきた
- ・食欲増加または食欲減退
- ・元気がない
- ・下痢や嘔吐
- ・かかとをつけて歩く特徴的な歩き方(猫)
- ・白内障(特に犬)
【犬の糖尿病】
犬の糖尿病は、ヒトの1型糖尿病(すい臓がインスリンを作れなくなる)に近いタイプが約半数を占めます。犬の場合はほとんどのケースでインスリンが作れなくなるため、生涯にわたるインスリン注射が必要になります。また、避妊をしていないメス犬で多くみられますので、予防の観点からもメス犬の避妊はとても重要です。
【猫の糖尿病】
猫の糖尿病の80~95%は、ヒトの2型糖尿病(肥満などによりインスリンが効きにくくなる)に近いタイプで、肥満が大きな原因です。犬の場合と違って、インスリンを作る能力が残っている場合が多く、インスリン注射が必要な場合と体重管理などだけで病気を管理できる場合があります。
糖尿病を発症すると、体重と血糖値をコントロールするための食事管理や毎日のインスリン注射が長期間続くため、犬や猫はもちろん、飼い主さんにとっても負担が大きい病気です。日頃からワンちゃん・ネコちゃんの行動や様子を気にするとともに、メス犬は避妊手術をする、猫は適正体重を維持するなどの予防をしましょう。また、病気が疑われるようなサインがみられたら、すぐに動物病院に相談しましょう。