もしかしたら病気のサインかも!?⑨デンタルトラブル

2016/05/16

ワンちゃん・ネコちゃんといつも一緒に生活していると、ちょっとした変化にはなかなか気が付かないものです。でも、見逃してしまいがちな些細な行動や様子の変化が、もしかしたら病気のサインかもしれません。そこで今回は、ワンちゃん・ネコちゃんの「歯周病」についてお話ししたいと思います。

デンタルトラブルとは!?

ワンちゃんとネコちゃんが、いわゆる虫歯になることはそれほど多くありません。これは犬と猫の口腔内は弱アルカリ性で、酸性を好む虫歯菌が繁殖しにくいためです。ワンちゃん・ネコちゃんのデンタルトラブルのほとんどは、歯石が蓄積して起こる「歯周病」で、ワンちゃんでは、歯石と歯肉炎は動物病院の最も多い来院理由であるとの報告があります。

歯に付着した細菌が増殖して蓄積すると、歯垢ができます。歯垢は「プラーク」とも呼ばれ、これに唾液中に含まれるカルシウムが結合すると歯石になります。臼歯付近は、唾液が分泌されるので、特に歯石ができやすい傾向があります。

歯垢・色素沈着の好発部位

歯垢はブラッシングなどで除去できますが、歯石になると簡単には除去できなくなります。歯垢や歯石の中には多くの細菌が存在し、この細菌が歯肉炎や歯周炎を引き起こす原因となります。また、細菌が毛細血管から血液の中に入り込み、やがて心臓に運ばれて心臓病の原因になることもあります。

【歯垢のうちに取り除くことが大切】

歯周病を予防するためには、歯垢が歯石にならないうちに、ブラッシングなどで取り除くことが大切です。しかし、多くのワンちゃん・ネコちゃんは口の周りを触られることを嫌がります。ブラッシングをスムーズに行うには、徐々に慣れさせる必要があるので、なるべく小さいうちから始めると良いでしょう。

【食事で配慮】

人用の歯磨き粉にも使われているポリリン酸ナトリウムは、カルシウムと結合する働きがある成分です。このポリリン酸ナトリウムが、唾液中のカルシウムが歯垢に結合することを防ぎ、歯石形成を抑えます。

ポリリン酸ナトリウムの作用

また、よく嚙むことでブラッシング効果を促すように、フードのキブル(粒)をたくさん噛むように形や大きさを工夫し、歯垢・歯石の蓄積を抑える方法もあります。

ヒトは毎日自分で歯のケアができますが、ワンちゃん・ネコちゃんは自分でケアすることができません。ブラッシングの習慣化や食事に配慮することで、デンタルケアを日頃から行いましょう。また、食べ方に変化が見られたり、口臭が気になったら動物病院で相談しましょう。

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