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ペルシャのご紹介 

威厳があり、洗練され、何と言っても柔らかな被毛のペルシャは、最も人気のある猫種の1つとして、世界中で人々の心をつかんでいます。その魅力は、愛らしい鼻づら、艶のある毛並み、繊細な性格といえるでしょう。そのすべてを兼ね備えたこの中型の猫は、静かな気高さで、どんな家庭にも華を添えてくれます。また、膝の上に乗る名人でもあり、賑やかで騒がしい家よりも静かな家を好みます。 

正式名称:ペルシャ 

別名:ペルシャロングヘア 

原産:イラン(旧ペルシャ)

Persian adult sitting black and white
  • 毛の長さ 

  • 抜け毛の量 

  • トリミングの必要性 

  • エネルギー レベル 

  • おしゃべり 

  • 家族向きのペット*

  • 他のペットとの同居 

  • 1匹で過ごせる* 

  • 環境(室内・屋外)

*ペットをあまりに長時間留守番させることは避けましょう。一緒に過ごすことで、精神的なストレスや破壊的な行動をおさえることができます。推奨事項については、獣医師にご相談ください。  品種ごとの特性はあっても、ペットにはそれぞれ個性があります。品種の特性に関する概要については、目安として参考にしてください。  幸せで健康的な、社会のルールに順応できるペットに育てるために、ペットをトレーニングして社会化させるだけでなく、基本的な福祉面でのニーズ(および社会的かつ行動上のニーズ)を満たすことをおすすめします。  目の届かない状況で、ペットを子供と一緒に放置してはなりません。  さらにアドバイスが必要な場合は、ブリーダーまたは獣医師にご相談ください。  すべてのペットは社交的であり、ペットオーナーと一緒に過ごすことを好みます。ただし、幼い頃からペットオーナーがいない状況に対処するようにトレーニングすることができます。この場合、獣医師またはトレーナーにアドバイスを求めてください。 
立っているペルシャのイラスト
オスメス
高さ高さ
0 - 0 cm0 - 0 cm
体重体重
5 - 7 kg3 - 5 kg
ライフステージ
成長後期 成猫期
~12ヵ月1~7歳
中高齢期高齢期
7~12歳12歳以降
close-up on the eyes and nose of a Persian cat
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ペルシャについて

この猫種について知っておくべきこと 

ペルシャは、優しくて明るく、人々に大きな喜びを与える猫です。非常に柔らかい毛並み、ライオンのような大きな足、そしてかすかな「ニャー」という鳴き声が魅力的です。落ち着きがあり、どんな変化も楽しむタイプではなく、あらゆる面で家庭向きの品種です。 

古代から存在するペルシャの歴史は、時代を超えてとどまることなく続いてきました。ペルシャ、現在のイランに起源を持ち、1500年代以降にはその人気が世界中に広まります。現在、世界中で200以上のペルシャの品種が存在します。 

フランスではとても人気があり、その堂々とした外見が洗練されたフランス文化に華を添えています。 

柔らかい毛に覆われているペルシャですが、ペットオーナーが世話を焼きすぎることを良く思わず、時には抱きしめられることを嫌がります。そのことをペットオーナーにも伝えるでしょう。そっとしておくのは難しいかもしれませんが、独立心の強い品種であり、自分がそうしたい時にだけペットオーナーに寄り添います。従順でとても気楽なペルシャは、ペットオーナーが外出している間に、家で留守を任されても平気です。 

Two ginger Persian kittens sat next to each other on a rock
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ペルシャにまつわる2つの事実 

1. ペルシャに起源を持ちますが 

ペルシャにとって暑すぎる気候は問題になります。この猫種のゴージャスな外見を考えると、それも当然でしょう。過度の日差しを避けて室内で飼うことが最善です。 

2. 人気ナンバーワン 

北米の由緒ある猫協会であるキャットファンシーズアソシエーションによると、ペルシャは米国で最も人気のある猫種であり、全世界では第4位にランクインしています。納得の結果でしょう。

Black and white portrait of Persian cat looking into the camera
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この品種の歴史

洗練され、聡明で自信にあふれたペルシャ猫には、それだけではない魅力があります。ペルシャは、17世紀のイタリアの冒険家であるピエトロデッラヴァッレによって発見されました。現在のイランであるペルシャでこの猫を最初に見つけ、ヨーロッパの自宅に連れ帰りました。 

ピエトロ一行が1600年代初期に戻ると、ペルシャの人気は大陸全体に広まりました。象徴的なロングヘアーと彫像のような身体の外観が保たれるように繁殖が続けられました。ルイ15世はこの品種を非常に気に入り、1700年代にフランスの宮廷に紹介しました。 

1871年にロンドンでクリスタルパレスキャットショーが開催されたとき、当時の君主であったビクトリア女王がペルシャの性格を大いに気に入り、この品種の人気がさらに高まりました。 

とても大切にされたペルシャは、長年の繁殖によって元の外見から現在の外見に姿を変えました。長年もの間、光沢のある絹のようなグレーの被毛の品種しか存在しませんでしたが、1882年に2つの遺伝的変化の1つ目が起こり、グレーの斑点のある白のチンチラコートが誕生し、高い人気を得ています(現在では、さまざまな被毛のカラーとバリエーションがあります)。1942年には、もう1つの遺伝的変化が起こり、短頭種が生まれました。平坦な顔つきは、この愛されている猫種の現在おなじみの姿です。低く上向きの鼻はブリーダーやファンにとって魅力的ですが、このような身体上の発達は、呼吸器の問題という面でペルシャ猫の健康に支障をきたすことがわかりました。 

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頭から尻尾まで 

ペルシャの身体的特性 

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2
3
4
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1.耳 

耳は先端が丸みを帯びて、前に垂れ、下に伸びて頭から離れている

2.頭部 

頭部は大きくて、短い上向きの鼻、丸みを帯びた顔、強いあごが特徴

3.身体 

身体つきはバランス良く洗練されており、筋肉質で頑丈な脚がついており、柔らかな丸いライン

4.尻尾 

尾はやや短めで丸みを帯びており、表面の毛はとても長い

5.被毛 

見事な長毛のトップコート、短いアンダーコート、色の組み合わせは多数
Persian cat peeking out of a blue and white duvet
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注意すべきこと 

この猫種の特性から健康に関する一般的な概要まで、ペルシャに関するいくつかの注意が必要なポイントをご紹介します

腎臓病になりやすい 

ペルシャは健康面で一般的に丈夫ですが、すべての猫と同様にいくつかの病気、特に腎臓病が懸念されます。腎臓病は多嚢胞の形を取るか、臓器の内部に多くの嚢胞が形成されることもあります。このような症状はペルシャ3匹中1匹に発生すると言われています。獣医師による適切なケア、適切なフード、そして適度な運動が重要です。

登るのは苦手 

ペルシャが好きな時間は、ジャンプしたり、登ったり、リビングルームのあちこちで新しい高さに挑戦することではなく、ソファの上でペットオーナーと一緒に座り、周りを観察することです。そばにいる猫と同じくらい遊び好きですが、行ったり来たり走り回るよりも、ソファなどに身をうずめることをはるかに好みます。ペルシャは走ることが得意ではありません。歩くのが好きです。

可愛らしい顔の輪郭が問題につながる可能性も 

優雅な団子鼻はかわいらしいですが、ペルシャにとっては呼吸の問題につながります。短頭種と呼ばれる鼻が短い品種は、顔と鼻がつぶれているように見えます。遺伝によって低く上向きに変形した鼻は、ブリーダーやファンから最も愛されている特性の1つです。しかし呼吸器系の問題にもつながり、ペルシャにとっては問題となり得ることがわかっています。

健康的な食事で、より健康的に 

個々の猫に最適な栄養バランスは、ペルシャの健康と美しさを維持する上で重要な役割を果たします。ペルシャの総合栄養食は、栄養素のバランスを調整したものでなければなりません。このフードを使用することで、過不足のない食事を与えられます。食事は不足しても多すぎても猫の健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。  

規則的な排尿をサポートするために、清潔で新鮮な水をいつでも飲めるようにしておく必要があります。また、猫はもともと少量の餌を1日7〜10回食べるようにできています。推奨されている1日分のキブル(ドライフードの粒)の量を一度に与えるとペルシャは自分で食べる量を調整します。  

以下の推奨事項は、健康的な動物に対するものです。猫に健康上の問題がある場合は、獣医師に相談し、専用の食事療法食を処方してもらってください。 

成長は、子猫の人生に欠かせない段階です。大きな変化であり、発見、そして新しい出会いの時です。品種にかかわらず、ペルシャの子猫が必要とするエネルギー、タンパク質、ミネラル、ビタミンの量は、成猫よりもはるかに大きくなります。子猫は自分の体を維持するだけでなく、成長し、体を構築するためにもエネルギーと栄養素が必要なためです。子猫の成長には2つの段階があります。  

成長前期 - 誕生から生後4ヵ月齢まで  

離乳とは、子猫が流動食(母乳)から固形フードに移行することです。これは、生後3〜6週目に歯が生える時期に自然と対応しています。この段階では、子猫はまだ噛み砕くことができないので、柔らかいフード(ふやかしたドライフードの粒や適切なウェットフード)は、流動食から固形フードに移行しやすくするのに役立ちます。

出後4〜12週齢では、子猫が母親の初乳(最初の母乳)から獲得する自然免疫は低下しますが、子猫の免疫系は徐々に発達します。免疫ギャップと呼ばれるこの重要な時期には、ビタミンEを含む抗酸化物質の複合体により、健康を維持することで本来の自然な免疫力の発達をサポートすることが必要です。

子猫にとっては、感情的で、特に繊細になるのが成長期です。その間、消化器系の配慮が必要になります。この時期のフードは、本質的な成長のニーズを満たすためにエネルギーが豊富であるだけでなく、発達途中の消化器系に合わせた消化のよいタンパク質も必要です。また、フラクトオリゴ糖などのプレバイオティクスは、腸内環境を整えることによって胃腸の健康をサポートします。その結果、健康な便の排泄に役立ちます。子猫用フードには、健康を維持することで脳神経の適切な発達をサポートするのに役立つオメガ3脂肪酸(EPA/DHA)が含まれている必要があります。

成長後期 - 生後4ヵ月~12ヵ月齢  

生後4ヵ月目から、子猫の成長速度が低下するため、低脂肪のフードが推奨されます。これが重要なのは、特に猫が避妊・去勢手術を受けた後です

生後4ヵ月から7ヵ月の間に、子猫の乳歯が抜け、永久歯に生え変わります。永久歯が生えたら、子猫は噛み砕くのに十分な大きさのキブル(ドライフードの粒)を食べる必要があります

生後12ヵ月になるまで、ペルシャの子猫の免疫系は徐々に発達します。この大きな変化、発見、新しい出会いのある時期に、ビタミンEなどの抗酸化物質の複合体が、健康を維持することで、自然な免疫力の発達をサポートします。消化器系は徐々に発達し、消化適性は生後12ヵ月までに完全に発達します。その後、成猫用フードを食べられるようになります。 

ペルシャの成猫の主な栄養目標は、次のとおりです。 

皮膚の健康とロングヘアーの贅沢な被毛の美しさを維持して、皮膚本来の皮膚のバリア機能を維持するための栄養素を豊富に追加し、本来の被毛の色や艶、柔らかさを維持させるのに役立ちます。

特定の食物繊維により、毛づくろい中に摂取された毛の排出を促し、毛玉の形成を抑えるのに役立ちます。室内猫であるペルシャは比較的活動量が少なく、毛づくろいに週に30時間以上費やす場合がありますから、毛玉が悩みの種になることが多いです。

尿路系の健康維持をサポートします。ペルシャ特有の腎泌尿器系の仕組みにより、他の猫よりも腎臓結石が発生しやすくなります。

消化性の高いタンパク質とプレバイオティクスを使用して、本来の消化能力の維持をサポートし、腸内環境を整えます。

フードのサイズ、形状、食感が、猫の舌の裏側を使ったフードの拾い方に適しているように配慮が必要です。ペルシャは、幅広の丸い頭と平坦な横顔が特徴的な短頭種です。フードの形状は、舌との接触面が最大限に広がる、粘着性の高い、猫が容易に舌で拾えるような形にすることが重要です。

12歳以上の高齢期の猫は、消化吸収しづらくなる場合があります。老化に向かう猫の体重を維持し、栄養失調のリスクを最小限に抑えるには、必須栄養素が豊富で非常に消化性の高いフードを与える必要があります。

猫は年をとるにつれて、歯の問題が生じるようになります。一部の高齢猫は、味覚や嗅覚も衰えて、それがフード量の低下につながる可能性があります。愛猫が十分な量のフードを食べ続けられるようにするには、老化とともに弱くなる顎に合った形や大きさ、硬さ(食感)のキブル(ドライフードの粒)を選ぶ必要があります。

老化に向かう段階であっても、その猫に最適なエネルギー量はライフスタイルに依存することに注意してください。定期的に屋外に出る高齢期の猫は、脂肪含有量がわずかに高いフードからメリットを得られます。一方、老化により、室内飼育されている猫の肥満リスクが減ることはありません。依然として、カロリー摂取量を注意深く監視する必要があります。脂肪含有量が多くも少なくもないフードが適しているかもしれません。

Ginger Persian cat lying on a rock
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ペルシャのケア 

運動、グルーミング、トレーニングのヒント 

どの猫も同じですが、ペルシャ猫は毎日かなりの活動量が必要です。一緒に遊んであげると活動量が促進されます。猫用のおもちゃが幅広く販売されています。揺れるボールや散らばるおもちゃであなたの元気なペルシャをアクティブにして、最適な健康状態を得られるよう全身の循環を良くしておきましょう。正直なところ、ペルシャ猫はのんびりと過ごす時間がとても好きですが、毎日の運動を取り入れることは、猫を健康に保ち、体型と毛並みを整えるうえで重要です。

ペルシャ猫のグルーミングは念入りに行ってください。この品種は長毛で有名ですが、見栄えを良くし、健康を維持するためには定期的なケアが必要です。まずできることとしては、ペルシャの被毛をコームで毎日とかしてください。そうすることで、もつれやからみを減らすことができます。毎月入浴を行って、絹のようなトップコートと綿毛のようなアンダーコートの両方を汚れや細菌から守りましょう。入浴後は被毛を乾かして、クシでよくとかしてください。ペルシャの被毛を後ろから手前にブラッシングすると、天然の皮脂を均等になじませることができます。必要に応じて爪をカットしてあげることで、ペルシャ猫の健康を維持できます。

ペルシャ猫のトレーニングは、その愛嬌のある性格のため簡単です。この品種は人を喜ばせるのが好きなので、指示を理解して従うのはペルシャにとって簡単なことです。ペット用トイレ、フード、ソファを置いてみてください。忍耐強く優しく教えれば、すべて理解するでしょう。この品種は非常に反応が良いので、言われたとおりにすることは大きな問題ではありません。

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ペルシャについて

外見から想像できるように、気品あふれる猫種です。ぴったりと寄り添い、フレンドリーで愛想が良く、おもちゃやおいしいおやつを意欲的に追いかけます。ペルシャは一流の気品に満ちています。愛らしい眼差しと親しみやすい行動で、我が家の女神とも言える存在です。

ペルシャはペットオーナーの膝の上に乗るのが好きです。性格はとてもフレンドリーで、優しくて愛らしいことで知られています。この品種は、穏やかな面をすんなり見せてくれます。

出典
  1. Veterinary Centers of America https://vcahospitals.com/
  2. ロイヤルカナン犬の百科事典。2010年版、2020年版
  3. Banfield Pet Hospital https://www.banfield.com/
  4. ロイヤルカナンBHN製品ブック
  5. アメリカン ケネル クラブ https://www.akc.org/

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