栄養成分名
バリン・ロイシン・イソロイシン(BCAA)
分類:分岐鎖アミノ酸(BCAA)(すべて必須)
基本情報/一般的な供給源
体内での働き
【筋肉の維持】
- ●BCAAは筋肉におけるタンパク質合成を促進し、分解を抑制するため、筋肉量の維持に欠かせない。この性質は特にロイシンにあてはまる(Kadowaki & Kanazawa 2003)。
- ●高齢期には筋肉の減少が起こる(図)。その原因は、BCAA摂取に対する感度が加齢とともに減退するためと考えられており(INRA 2002)、高齢期には積極的にとることがのぞましい。また、心臓病やがんなどの疾病でみられる悪液質(筋肉量の減少を特徴とする体重減少)を予防する働きがある。
【肝臓】
- ●人での研究をもとに、犬や猫の肝疾患でも肝性脳症の改善のために、食事にBCAAを添加することがあるが研究結果は様々である(Als-Nielsen 2003, Marchesini 2003)。
- ●現時点で、有益な効果は主に栄養状態(タンパク質・エネルギー利用)の改善によるものと考えられており(Bianchi 2005)犬の研究でも同様の報告がある(Meyer 1999)。
フードにおいて期待される役割
過剰/欠乏
- ●BCAAのいずれかが欠乏すると、体重が減少し嗜眠傾向が見られる。特にイソロイシンの欠乏により、被毛粗剛、肉球の乾燥・ひび割れおよび歩行失調が見られることがある。