栄養成分名
β-カロテン(ベータカロテン)
分類:その他(カロテノイド色素・プロビタミンA)
基本情報/一般的な供給源
- ●ニンジンなどに含まれるカロテノイド色素。
- ●体内でビタミンAに変換されビタミンA活性を示すため、プロビタミンAとも呼ばれるが、猫ではこの酵素を持たないため変換されない。
体内での働き
【抗酸化作用】
- ●それ自身が強い抗酸化作用を持ち、主に細胞の中でその作用を発揮して免疫賦活作用をもたらすため、がんや心臓病の予防、LDLコレステロールの酸化を防ぐ作用があるといわれている(清水 2006, 日本人の食事摂取基準 2005)。また、運動による酸化ダメージや筋肉の損傷を抑えるという報告もある(Baskin 2000, Piercy 2000)。
【繁殖】
- ●メスの場合、性ホルモン(プロゲステロンとエストロゲン)の生成が促される。これらのホルモンによって、β-カロテンは胚の成長に適した環境を提供するようになる。
フードにおいて期待される役割
【繁殖期】
- ●抗酸化作用による性ホルモン合成促進を期待して。
【抗酸化作用】
- ● 成長期や使役犬に。循環器疾患(Yu 2006)や一部の腫瘍に。
- ●同様の効果が子犬のパルボウィルス、アデノウィルス、狂犬病のワクチンにおいて認められている(Smith 2000)。
過剰/欠乏
- ●β-カロテンは生体内で必要量だけがビタミンAに変換されるため、一般的に過剰症はない(山田 2007)。