犬の中高齢期・高齢期

中高齢期・高齢期とは「体の機能が低下する時期」であるが、その変化(老化)は急には起こらず、目に見えないところで徐々に進行する。そのため、中高齢期の初期は飼い主でもその変化に気付かないことが多い。
犬に「一日でも長く元気な状態を保ってもらう」ためには、老化の症状が目に見えてからではなく、中高齢期の早い段階からケアしてあげることが大切である。

1. 中高齢期・高齢期はいつから?

中高齢期・高齢期についての明確な定義はないが、一般的に寿命の約2分の1をすぎると中高齢期、約3分の2をすぎると高齢期とみなす。
中高齢期・高齢期の始まる時期は犬と猫で異なり、また犬はサイズによっても異なる。

2. 老化と活性酸素

加齢による体の変化には、活性酸素が大きく関わっている。活性酸素はストレスや紫外線、環境汚染物質などにより体内で発生し、その強い酸化力で細胞や遺伝子(DNA)などを傷つける。
活性酸素が細胞やDNAにダメージを与えることで、体の代謝機能や組織再生力の低下が起こり、体に様々な変化が起こる。

3. 中・高齢期の身体の変化

活性酸素のダメージなどが原因で、中・高齢期になると次のような様々な身体の変化がみられる。

  • 腎臓心臓、脳など、身体の各組織の機能が低下
  • ●筋肉量の低下(サルコペニア)
  • ●歯周病の進行により、歯のトラブルが増加
  • 関節軟骨が摩耗して、関節疾患が発症しやすくなる
  • ●嗅覚の低下

4. 中・高齢期の犬でみられる変化

犬では次のような報告がある。

  • ●8歳をこえる犬の85% に歯周病等の歯のトラブル(Kyllar M, 2005)
  • ●15~16歳の犬の68%に認知機能障害にともなう行動の変化(Neilson J. C, 2001)
  • ●15歳をこえる犬の約10%以上に慢性関節病(Adams LG, 1995)

また小型犬では、老化にともない心臓病のリスクが高くなる。

  • ●5~8歳の犬の10%、9~12歳の犬の20~25%、13歳以上の犬の30~35%に心臓病(Detweiler 1968)

5. 中・高齢期の食事管理

活性酸素が老化の一因であり、若いころであれば体内でこれに対抗する酵素を作ることができるが、中・高齢期に入るとその働きが低下する。そこで、抗酸化成分であるビタミンECルテイン、タウリン、ポリフェノールβ-カロテンリコピン等を食事で補うことにより、活性酸素によるダメージを抑えることができる。
このほかにも、加齢による様々な変化に配慮された食事を与えることで、中・高齢期の犬と猫がより長く健康な状態を保つことができる。

6. 中・高齢期の犬に大切な栄養成分

●活性酸素によるダメージを軽減:
腎臓のダメージを軽減:
●筋肉維持:
関節軟骨の栄養:
●関節の痛みを軽減:
●形成(歯石形成の軽減):
●脳の健康維持:

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