皮膚と被毛

皮膚や被毛には、病原体や有害物質の侵入や水分などの損失を防ぐバリア機能、体温調節機能など、さまざまな役割がある。また健康な皮膚や被毛を保つために、身体の中で様々な仕組みが働いている。皮膚と被毛の状態は、身体の仕組みがきちんと働いているかどうかの指標、すなわち「健康のバロメーター」であるといえる。

皮膚と被毛の構造

皮膚・被毛と食事管理

犬や猫は人に比べて身体が小さいため、体積に対する表面積(=皮膚)の割合が高く、体重の約15~20%を皮膚が占めると言われている。
皮膚は常に新しいものに生まれ変わり(ターンオーバー)、その周期は犬と猫では約21日である。また被毛は季節的に生え変わることを繰り返している(換毛)。この皮膚の角質や被毛は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質から作られているので、犬や猫は多くの量のタンパク質を食事から摂る必要がある。猫では食事から摂取したタンパク質の約25~30%が皮膚や被毛のために使われる、という報告がある。
ケラチンを構成するアミノ酸にはメチオニン、シスチンなどがある。毛色を左右するメラニン色素にはユーメラニン(黒・褐色)、フェノメラニン(黄・赤)の2種類がありどちらもアミノ酸のチロシンから作られるが、その際にミネラルが必要である。このほかにもさまざまな栄養素が、健康な皮膚と被毛を維持するために必要である。

犬アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下が原因のひとつと考えられている。皮膚のバリア機能を維持するためには、セラミドの合成を促進する必要がある。
そのための栄養素として、パントテン酸ナイアシンコリンなどのビタミンB群とアミノ酸の一種であるヒスチジンの組み合わせが効果的である。またEPAやDHAなどのオメガ3系不飽和脂肪酸リノール酸γ-リノレン酸などのオメガ6系不飽和脂肪酸には、炎症を調整する働きもある。

食物アレルギー

食物アレルギーの原因は、ほとんどの場合食事に含まれるタンパク質である。食物アレルギーと診断された場合の食事管理としては、
①アレルギーのもととなっている原材料(タンパク質)を使用していない食事を与える。
②原材料となるタンパク質を、身体が認識できないレベルまで、あらかじめ小さく分解した食事を与える。
という方法がある。

涙やけ

「涙やけ」と呼ばれる、目頭から鼻にかけて発生する被毛の変色は、鼻涙管(余分な涙を目から鼻に流すための管)が詰まったり細くなったりしたために起こる、「流涙症」が原因である。涙やけに対する食事の影響については様々な報告があるが、今のところよく分かっていない。

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●皮膚・被毛の原材料:
●表皮の成長(ターンオーバー)、皮脂の分泌調節:
●炎症を抑える:
●毛質:
●フケや皮膚の乾燥を軽減:
  • ビオチン
●毛色:

その他のヘルスケア

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