どのくらい太ると肥満?

  • 肥満
2021/04/06

近頃、外出する機会が減って運動不足になり、太ってしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。現在、約半数のワンちゃんやネコちゃんが太り気味あるいは肥満だといわれています。愛犬・愛猫が太っていることに気付いていない飼い主さんも少なくありません。今回は肥満の判定方法や、肥満に潜む健康リスクについてふれていきます。

肥満の判定方法

【猫は適正体重20%オーバー、犬は15%オーバーで肥満判定】

ネコちゃんでは適正体重を20%オーバー、ワンちゃんでは適正体重を15%オーバーすると肥満だと判定されます。つまり、適正体重が4kgの場合、ネコちゃんでは4.8kg、ワンちゃんでは4.6kgになっただけで、すでに肥満であるといえます。1kgも変わっていないのに…と思ってしまいがちですが、人でいえば40kgの人が48kgや46kgになったのと同じです。ワンちゃんやネコちゃんは人と比べて体重が少ないので、わずかな変化のように見えても、実は大変な違いになってしまうのです。愛犬・愛猫の体重は「何kg変わったか?」ではなく、「何パーセント変わったか?」を確認するようにしましょう。

健康への影響

【肥満が原因で寿命が短くなってしまう?】

愛犬・愛猫が太っていても、あまり気にしない飼い主さんもいるかもしれません。そもそも、太っているとなにが悪いのでしょうか。その一番の理由は、寿命が短くなってしまうことです。ある研究によると、家庭で飼育されているワンちゃん12犬種で、適正体重のワンちゃんと過体重のワンちゃんの寿命を比較したところ、すべての犬種で過体重の犬の方が約数ヵ月~2年半も平均寿命が短かったことが報告されています。1)

【関節炎や糖尿病の病気や、日々のQ O L低下にも】

またそれだけでなく、肥満は関節炎や糖尿病などの病気になりやすいなど、愛犬・愛猫のQOL(生活の質)を低下させてしまいます。病気にならなくても、例えば以前は高いところに飛び乗っていた愛猫が、太ってしまったせいで飛び乗らなくなったりします。高いところへ飛び乗ることはネコちゃんにとって自然な行動で、リラックスするうえで必要なことです。人が階段を上れなくなったら、とても不便で日常に影響をきたしますよね。愛犬・愛猫のQOLを保つためにも、体重管理はとても大切です。

愛犬・愛猫がより長く、健康で楽しい毎日を過ごせるように、動物病院でも相談しながら適正な体型を維持するようにしましょう。

参考文献

  • 1) Association between life span and body condition in neutered client‐owned dogs, Carina Salt, Penelope J. Morris, Derek Wilson, Elizabeth M. Lund, Alexander J. German, 2018
  • 2) Study of obesity in dogs visiting veterinary practices in the United Kingdom The Veterinary Record(1986)118,391-396
  • 3) Scarlet JM et al. 1998, Associations between body condition and disease in cats, JAVMA 212(11), 1725-1731.

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