チューブ栄養のすすめ②消化管と栄養

  • 食事
2016/10/07

チューブ栄養のすすめ、前回のコラムでは、食事を摂ることの大切さについてお話ししました。今回お話しするのは、栄養を吸収する消化管の働きと、チューブ栄養の特徴です。

身体に必要な栄養は、小腸・大腸などの消化管で吸収されています。
また消化管は、自身に必要な栄養も消化管内の食べ物から直接摂取しています。
消化管は新陳代謝が活発なため、自身に栄養が入ってこなくなると真っ先にその影響を受け、図のように内部を覆う粘膜細胞や消化管全体が萎縮し、消化管の持つ機能を維持できなくなってしまうのです。

さらに消化管は体内で最大の免疫臓器とも言われており、栄養を摂らないということは、この免疫機能に支障をきたすことにつながります。

Q.食欲がないときは、消化管は働いていないんじゃないの?

多くの場合、食欲がなくても消化管は働くことができます。
また近年では、消化管の機能維持のためにも「消化管が働いている限り、使う」という考え方が基本となっています。
そのため、ワンちゃん・ネコちゃんの食欲がない状態が続きそうな場合にも、チューブを通してできるだけ早期に栄養を補給し、消化管を働かせることが大切です。

Q.チューブを使うってどういうこと?

チューブ栄養は、ワンちゃん・ネコちゃんの鼻や首、おなかの部分で外から消化管(食道や胃あるいは小腸)までチューブを通し、直接食べ物を投与する栄養療法です。
口のケガなどで食事ができない場合や、病気などで食欲が減退しているときに用いられます。

Q.チューブ栄養ってどこがいいの?

チューブ栄養は、確実、そしてスピーディに行える栄養療法です。
ワンちゃん・ネコちゃんだけでなく、食事を与えるオーナーさんの負担も減らすことができます。また、消化管をはじめとした各機能が正常に働くことで、病気の回復を早める可能性もあります。

病気で食欲をなくしたワンちゃん・ネコちゃんは、消化管の正常な形態や機能を維持できなくなり、免疫機能も大きく下がります。
消化管に栄養を直接投与することにより、ワンちゃん・ネコちゃんの食欲だけでなく、消化管や免疫、筋肉など体のさまざまな部分をサポートすることができるのです。

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