ワンちゃん・ネコちゃんといつも一緒に生活していると、ちょっとした変化にはなかなか気が付かないものです。でも、見逃してしまいがちな些細な行動や様子の変化が、もしかしたら病気のサインかもしれません。そこで今回は、「肝臓病」のサインについてお話ししたいと思います。
こんな症状があったら、肝臓病のサイン!?
肝臓は、栄養素の分解、合成、貯蔵を行なったり、体の中の毒素を分解して無毒化したりといった、さまざまな重要な働きをする器官です。
肝臓に炎症が起きたり、細胞が壊れたり、脂肪がたまりすぎるなどして、本来の働きができなくなることを肝臓病といいます。その原因の多くは不明で、細菌やウイルスなどの感染や長年の負担、他の病気の影響や遺伝性、その他薬物、毒物、腫瘍や外傷なども原因になりえます。また、これらの原因が複合していることも考えられます。
【肝臓病が疑われるサイン】
- ・食欲がない
- ・嘔吐する
- ・白目や歯茎が黄色くなる(黄疸)
- ・よく水を飲み、よくおしっこをする
- ・元気がない
- ・体重が落ちる
【猫の肝リピドーシス】
猫の肝リピドーシス(脂肪肝)は、脂肪が過剰に肝臓に集まってしまう病気で、特に太っている猫が何も食べなくなることにより起こることが多い病気です。猫が何も食べないことが1日以上続いたら動物病院に相談しましょう。
肝臓は予備能力(余力)が高く、再生能力の高い臓器です。そのため、「沈黙の臓器」などと呼ばれることがあるように、損傷などがあっても症状が現れにくく、症状が出た時にはかなり進行していることも多い病気です。 肝臓病は肝臓自体よりも他の病気が原因で起こるケースもあり、その場合はまず原因となる病気の治療が必要になります。その後、肝臓にかかる負担を少なくし、再生に必要な事を適切に行えば、健康な肝細胞が増えて機能が元に戻ることも期待できます。 肝臓病で使われる療法食は、タンパク質を代謝してできるアンモニアなどの老廃物に配慮しつつ、肝細胞の再生に必要なタンパク質を供給するために、消化性の高いタンパク質を適量含むことが必要です。
肝臓病の症状は気が付きにくいので、定期的な健康診断が重要です。また、上記のようなサインがみられた場合は、すぐに動物病院で相談しましょう。