答え NO
健康なワンちゃんやネコちゃんであれば、塩分を少し多めにとっても高血圧になったり腎臓に障害が及んだりすることはありません。むしろ、尿路結石の予防や治療の際など、水をいつもよりたくさん飲んでほしいときに、基準値内で多めに摂取するように推奨することがあります。
■ 解説
猫はもともと肉食動物で、犬も歴史をさかのぼると肉食動物※1であるため、塩分を少し多めにとっても問題ないといわれています。
草食動物の場合、その食事中に含まれる塩分量がもともと少ないため、なるべく体内に塩分をため込むように身体が働きます。一方、肉食動物の食事(肉や血液)にはもともと十分な塩分が含まれています。ですから肉食動物は塩分を体の中にため込む必要はなく、いつでも尿中に捨てられるように身体が働きます。
結果として塩分が多めの食事を食べた場合、草食動物はうまく排泄できずに身体に蓄積されてしまうため、高血圧が生じやすい傾向があるのに対し、肉食動物の血圧は塩分の影響を受けにくいといわれています。※2


- ●草食動物の食事には塩分が少ないため、草食動物は古来より、岩塩や肉食動物の尿をなめることで塩分を補ってきた。
※1現在では犬は雑食動物ですが、今でも一部その特徴を残しています。
※2もちろん基準を超えた過剰な塩分摂取は推奨されません。
また進行した心臓病や腎臓病の場合には、塩分制限が推奨されることがあります。