栄養成分名

ナトリウム(Na)

分類:主要必須ミネラル

基本情報/一般的な供給源

  • ●細胞の機能に必要不可欠で、様々な役割を果たしている。
  • ●過去には塩分摂取量の増加に伴う高血圧のリスクが指摘されていたが、現在では高血圧が認められないという報告が大多数である(Buranakarl 2004, Xu H 2009, Cowgill 2007)。これは犬や猫ではナトリウムを容易に尿中に排泄することができるためと考えられる。
  • ●生肉は野菜の約3倍のナトリウムを含む。一般的には塩化ナトリウム(塩)の形で存在することが多いが、鉱物塩として他に、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよびポリリン酸ナトリウムなどが用いられる。

体内での働き

  • カリウムなどとともに血液などの酸―アルカリのバランスや、細胞内外の浸透圧を一定に保つ働きをもつ。
  • ●細胞のエネルギー代謝においても主要な役割を果たしており、神経伝達にも関与している。
  • ●体内の水分バランスを制御するミネラルで、その働きはカリウムと密接に関係している。

フードにおいて期待される役割

心臓腎臓のサポート】

  • ●心臓病や腎臓病に伴う体液貯留に配慮し、ステージに応じて制限する(Atkins 2009, IRIS 2013)。

下部尿路疾患(尿路結石など)

  • ●飲水量および尿量を増加させることで、尿を希釈して尿路結石のリスクを低下させる(Lulich 2005, Hawthorne2004, Tournier 2007)(図)。

(図)尿路結石に対する栄養成分の調整効果(Tournier 2007)

過剰/欠乏

【過剰】

  • ●NRC(全米研究評議会)のガイドラインによると、食事中のナトリウム量1.5g/400kcalで安全性が確認されている。
  • 心臓病や腎臓病では、ナトリウム摂取の制限が必要となる場合があるが、病気の進行に応じて行われるべきであり、初期の腎臓病では塩分付加による高血圧との関連は認められていない(Kirk 2006)。

【欠乏】

  • ●情動不安、心拍数の増加、飲水量の減少および尿量の増加などの症状が見られる。
  • ●猫と犬ではナトリウムが欠乏することは稀である。

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