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犬と猫の栄養成分辞典

犬と猫の栄養成分辞典

皮膚と被毛

皮膚や被毛には、病原体や有害物質の侵入や水分などの損失を防ぐバリア機能、体温調節機能など、さまざまな役割がある。また健康な皮膚や被毛を保つためには、身体の中で様々な仕組みが働いている。皮膚と被毛の状態は、身体の仕組みがきちんと働いているかどうかの指標、すなわち「健康のバロメーター」であるといえる。一般的に犬や猫の被毛は1本の主毛(オーバーコート)と複数の副毛(アンダーコート)から構成され、特に副毛は体温を調節する働きをしており季節的に生え変わる(換毛)。皮膚は真皮と表皮に分けられ、表皮は更に4層に分けることができる。最外層の角質層は角質化した細胞(核を失った細胞)で最終的にはフケや垢としてはがれ落ちる。角質層の細胞の間にはすき間があり、「セラミド」と呼ばれる細胞間脂質がそれを埋めていて、外部からの異物侵入や体内からの水分蒸発を防いでいる。セラミドの生成が低下すると肌は乾燥し、刺激に弱い敏感な状態になってしまう。

皮膚と被毛の構造

皮膚・被毛と食事管理

犬や猫は人に比べて身体が小さいため、体積に対する表面積(=皮膚)の割合が高く、体重の約15~20%を皮膚が占めると言われている。
皮膚は常に新しいものに生まれ変わり(ターンオーバー)、その周期は犬と猫では約21日である。また被毛は季節的に生え変わることを繰り返している(換毛)。この皮膚の角質や被毛は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質から作られているので、犬や猫は多くの量のタンパク質を食事から摂る必要がある。猫では食事から摂取したタンパク質の約25~30%が皮膚や被毛のために使われる、という報告がある。
ケラチンを構成するアミノ酸にはメチオニン、シスチンなどがある。毛色を左右するメラニン色素にはユーメラニン(黒・褐色)、フェノメラニン(黄・赤)の2種類がありどちらもアミノ酸チロシンから作られるが、その際にミネラルが必要である。このほかにもさまざまな栄養素が、健康な皮膚と被毛を維持するためには必要である。

犬アトピー性皮膚炎

犬アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下が原因のひとつと考えられている。皮膚のバリア機能を維持するためには、セラミドの合成を促進する必要がある。
そのための栄養素として、パントテン酸イノシトールナイアシンコリンなどのビタミンB群とアミノ酸の一種であるヒスチジンの組み合わせ(P.I.N.C.H. カクテル)が効果的である。セラミドの合成を促進し、皮膚を乾燥から保護する働きがあるという報告(Watson 2006)や、犬アトピー性皮膚炎の発症のリスクが低下したという報告(Frank Looringh van Beeck 2015)がある。またEPAやDHAなどのオメガ3系不飽和脂肪酸リノール酸γ-リノレン酸などのオメガ6系不飽和脂肪酸には、炎症を調整する働きもある。

食物アレルギー

食物アレルギーの原因は、ほとんどの場合食事に含まれるタンパク質である。食物アレルギーと診断された場合の食事管理としては、
①アレルギーのもととなっている原材料(タンパク質)を使用していない食事を与える。
②原材料となるタンパク質を、身体が認識できないレベルまで、あらかじめ小さく分解した食事を与える。
という方法がある。

涙やけ

「涙やけ」と呼ばれる、目頭から鼻にかけて発生する被毛の変色は、鼻涙管(余分な涙を目から鼻に流すための管)が詰まったり細くなったりしたために起こる、「流涙症」が原因である。涙やけに対する食事の影響については様々な報告があるが、今のところよく分かっていない。

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●皮膚・被毛の原材料:
●表皮の成長(ターンオーバー)、皮脂の分泌調節:
●炎症を抑える:
●毛質:
●フケや皮膚の乾燥を軽減:
●毛色:
●皮膚のバリア機能:

その他のヘルスケア