猫のルーツ~穀物の番人から愛らしいペットへ~

2016/12/06

前回のコラムでお話しした犬のルーツに続いて、今回は猫のルーツについてご紹介します。 猫が属するネコ科の動物には、チーターやヒョウ、トラ、ライオンなどが挙げられますが、猫とは体格差のあるこれらの動物も、もとは同じ先祖だったのでしょうか?

猫の直接の先祖は、今からおよそ13万1000年前に出現し、アフリカや中近東などの乾燥地帯に生息している「リビアヤマネコ」であるとされています。さらにこのリビアヤマネコの先祖が、およそ5~6000万年前に生息していた「ミアキス」という肉食動物だと考えられています。

実はこのミアキスは、ネコ科の動物だけでなく、犬などの祖先でもあるのです。
さかのぼれば犬も猫も、同じルーツに当たるのですね。

さて、猫は犬と比べると警戒心が強く、人にもすぐには懐かないイメージがあります。
そんな猫が、どのようにして人間とともに生活するようになったのでしょうか?

猫が人間と暮らすようになったのは、一般的には4~5000年ほど前だとされていますが、1万年近く前の飼育例も見つかっており、正確な年代は分かっていません。

当時、農耕を行うようになった人間たちは、自らが育て、収穫した穀物を食い荒らすネズミに悩まされていました。
そこへちょうど、ネズミを獲物とする猫が現れます。猫にとって、獲物をみつけやすい人間の世界での生活は都合が良く、また人間も、ネズミを追い払ってくれる猫を穀物の番人として重宝するようになったのですね。

しかし猫は、犬のように群れをなす動物ではなく、また人間への服従性もないため、一緒に仕事をさせることは困難です。
そのため人間は猫に、「美しさ」「しなやかさ」「活発さ」といった魅力を見出し、愛玩対象として一緒に暮らすようになったと考えられています。

前回と今回のコラムで犬と猫のルーツを紹介しましたが、おおもとの祖先は同じであっても、長い年月をかけて、まったく違った歴史や特徴をもつ動物がわたしたちと暮らしているのですね。

人間からすれば、犬も猫も「ペット」でまとめてしまうことができます。しかし、それぞれの食事や育て方、性格の違いを理解し、家族の一員として尊重する暮らしを心がけていくことも大切ですね。

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