気をつけたい、子犬の健康
前回は、成長期におけるパピーステージとジュニアステージの違いに関してお話ししましたが、今回は健康上のポイントについてお話ししたいと思います。
まず皮膚と被毛についてです。これらはとてもデリケートで食事の影響を受けやすく、皮膚と被毛は「栄養のバロメーター」と呼ばれています。
ではその皮膚と被毛についてのクイズです。ワンちゃんのからだを思い浮かべながら考えてみてください。
Q1.ワンちゃんの皮膚の組織を集めると、体重の約何%(何分の1)になるでしょうか?
- ①約5%(20分の1)
- ②約10%(10分の1)
- ③約20%(5分の1)
さらにもう1問。
Q2.小型犬が健康な皮膚や被毛を維持するためには、食事に含まれるタンパク質の約何%が利用されるでしょうか?
- ①約20%
- ②約30%
- ③約40%
A.正解はQ1が③「約20%(5分の1)」、Q2が②「約30%」です。
ワンちゃんは、体重に対して皮膚(表面積)の割合が大きく、体重の約20%を皮膚が占めるといわれています。そのため食事に含まれるタンパク質の約30%が、健康な皮膚や被毛の維持のために利用されます。
また、パピー・ジュニアステージの子犬は、この皮膚とさらに消化器系の問題が多くみられます。これは、成長期は消化機能が未発達であるため消化器症状(嘔吐や下痢)と、食事の影響をうけやすい皮膚の病気が多くあらわれてしまうことによります。 成長期の子犬には、その成長段階に最適な栄養バランスと高い消化性をもつフードを選んであげましょう。
2回にわたり成長期のワンちゃんに関する3つのクイズを出題しましたが、いかがでしたか?新しく知ったこともあったのではないでしょうか。
ひとくくりに犬といっても、人と同じように、年齢によって最適な食事やかかりやすい病気は異なってきます。成長期である子犬は未発達な部分が多く、オーナーであるわたしたちが充分に気を配ってあげなければなりません。
成犬期の健康は、成長期の健康が土台となります。
子犬の成長期について正しい知識をつけ、愛するワンちゃんと健やかな生活を送りましょう。