みなさんはペットの食事について、こんな経験がありませんか?
- 前より食べる量が減ったような気がする。
- 昨日は喜んで食べたのに、今日はなぜか食べてくれない。
- 前に飼っていた子は食欲旺盛だったのに、今の子はご飯に興味がないみたい?
これらのお悩みは特に、小型犬や猫の飼主さんによく見られます。
このような様子を見て、あげたペットフードが合わないのかな?メーカーがよくないのかな?と考えた飼主さんもいるのではないでしょうか?
実は犬や猫がおいしく食事をするかどうかには、ペットフードの嗜好性※はもちろんですが、それ以外にも、動物側の要因や飼い主さんとの関わり方が関係しています。
ですから、いくらフードのにおいや味がよかったとしても、ほかの2つの要素がみたされていないと、ペットはご飯を食べないことがあるのです。
- ※嗜好性とは:犬や猫が素早く、好んで、自発的に食べることができるためのペットフードの特徴
ここでは二つの場合に分けて、考えられる原因について詳しくみていきましょう。
【もともとよく食べる子がご飯を食べなくなってきた場合】
犬や猫が食事を食べなくなるのは、嗅覚などの感覚が低下することでにおいや味を感じにくくなっているからかもしれません。 感覚の低下には、老化あるいは環境の変化が関係している可能性があります。
■老化に伴う変化
高齢犬や高齢猫は、年をとるにつれてだんだんと嗅覚が衰えていき、また歯肉炎などによる痛みから食事をとりたがらないことがあります。
このような身体の変化に配慮して、嗜好性を高め、粒がふやけやすく作られたフードもあるので、試してみるとよいでしょう。
ただ、高齢になると新しい環境への適応力が衰え、いきなり食事を変えると拒否したり嘔吐・下痢を起こしたりすることもあるので、食事は少しずつ切り替えましょう。
■環境の変化に伴う変化
天候などの外部環境によっても、犬猫の嗅覚は影響をうけることがあります。
強い日光や風によって鼻の粘膜が乾燥したり、雨で粘膜に水の層ができたりすると、嗅覚が低下してしまうからです。
また、お薬を飲んでいるときも、いつもより嗅覚や味覚が鈍感になる可能性があります。
例えば、テトラサイクリン系の抗生物質は、味覚をいつもより低下させるといわれています。
以前のコラム『嗜好性とは③ ごはんを食べないときは、どうしたら良い?』を参考に、与え方や環境を変えるなどの工夫をしてみると改善がみられることがあります。
あれこれ試してみてもやはり食べない時や、体重が減ってくる場合は、病気の可能性もありますので、病院で診てもらうことをおすすめします。
次回のコラムでは、もともと食の細い犬と猫について、それぞれの特性からお話していきます。